2022年6月に新型BLK360発売に関する情報がリリースされた。(日本発売時期未定)
本記事では、ライカ社が公開したサンプルデータから新型BLK360の性能をいち早く予想していく。
新型BLK360(BLK360 G2)についての情報はこちら。
公開されたデータの器械点数・点群数は以下の通りだ。
器械点:23点
総点群数:55,501,370点
▲点群処理ソフト「Cyclone REGISTER360」で表示したデータの様子。
まずは、新型BLK360で撮影されたパノラマ画像を見てみよう。
神戸清光営業担当は「HDR高解像度化でより綺麗に撮影が出来ているのでは?」と分析する。
現行型BLK360の500万画素×3カメラに対して、新型BLK360では1300万画素×4カメラが採用されている。
画素数・カメラ数共に性能が上がっていると言えるだろう。
またHDR測定も高速化しており、より短い時間で高品質データの取得が実現されそうだ。
▲新型BLK360で撮影された画像データ①
全体的に鮮やかに色彩が表現されている印象だ。
▲新型BLK360で撮影された画像データ②
続いて、点群のデータも見ていこう。今回公開されたサンプルデータでは10m先12mm間隔の設定で計測が行われていることが予想される。計測スピードも向上しており、現行型BLK360では36万点/秒に対し、新型BLK360では68万点/秒での計測が可能だという。
点群データを見てみると、現行型BLK360のデータに比べてより鮮やかな色で再現出来ているように見える。
前述の通り、カメラ性能が向上しているためそれが可能なのだろう。さらに、点群精度が6mmから4mmになっており、レーザースキャナを使用した計測に更なる精度の高さが期待できる。
また、新型BLK360は計測距離が短く、鉛直方向の角度が浅いことも特徴だ。
(計測距離→現行型BLK360:60m 新型BLK360:45m 鉛直角度→現行型BLK360:300°新型BLK360:270°)
そのことから、器械点下の穴が大きくなるため、現行型と比較してより短い器械点ピッチで計測することで穴を埋め、
最大の特徴であるVIS*を適用した自動合成を活用するのが効率のいい使用方法になると思われる。
*VIS=ライカの独自技術である自己の位置や向きを自動検出するアルゴリズム。
▲おそらく10m先12mm間隔の設定で本データは計測されている。
▲カメラ性能の向上により、点群データの色彩も非常に綺麗に再現されているのではないだろうか。
▲反射強度で表示した様子。
▲凹凸部分①
滑らかな印象だ。
▲凹凸部分②
しっかり再現されている。
「新型BLK360が発売されても現行型BLK360との特長の違いで、きっちり棲み分けが出来ていくと思います。」と神戸清光営業担当は話す。
用途や活用目的に合わせた製品選定が重要であり、現場に合わせた使用が重要だ。
本製品の日本発売後は、
また、前述のライカ社の全てのスキャナが「Cyclone REGISTER360」というソフトウェアを通して繋がっていく。
そのことから、同社において同ソフトウェアは単発的な扱いではなく、太い支柱的な役割もあるのだろう。
是非、製品導入へのストーリー作りの参考にしていただきたい。
新型BLK360は、現行型BLK360の特長をしっかりと受け継いでいる印象であった。
ライカ社製のレーザースキャナは様々展開されているが、特にBLK360はその直感的な操作と手軽に計測できることが大きな特徴だ。
そのBLK360の新型が展開されるということは、ライカ社も同シリーズに注力しているということか。日本発売の実現を待ちたい。
(株)神戸清光 広報チーム