ICT施工の3次元化については必要不可欠となっている3Dレーザースキャナー。
今回は実際にデモンストレーション専用機として弊社で導入している主力のレーザースキャナー
Leica BLK360 G2、NavVis VLX3、xgrids Lixel K1、xgrids Lixel L2proを使用し徹底的に比較検証を行ってみました。その結果の一部をレポートさせていただきます。
まずは今回使用したレーザースキャナーのご紹介です。
1. Leica BLK360 G2
http://www.kobeseiko.co.jp/Leica_BLK360_G2.html
2.NavVis VLX3
http://www.kobeseiko.co.jp/NavVis_VLX3.html
3. xgrids Lixel K1
http://www.kobeseiko.co.jp/lixelk1.html
4.xgrids Lixel L2pro (120m/16タイプ)
http://www.kobeseiko.co.jp/Lixell2pro.html
特にNavVis VLX3、xgrids Lixel K1、xgrids Lixel L2proの3機種は、昨今の3DレーザースキャナーのトレンドであるSLAM式の移動体型レーザースキャナーとなります。
では早速、比較検証スタート。
・建造物の視覚性について
https://maps.app.goo.gl/FiDNgMVYmjTcP4Uk6
1.Leica BLK360 G2
流石の据え置き型レーザースキャナーのクオリティ。
BLK360 G2については弊社の記事でも度々登場しておりますが、僅か850gという軽さに加え、1器械点あたり最短20秒でスキャンできる高パフォーマンスが当機種の魅力。
さらに独自のビジュアルスラム技術を採用し常に機体の自己位置を把握し、現場で自動合成もしてくれる。価格帯も含めてこれまでの据え置き型の既成概念を大きく覆した当機種。
スキャン距離は最大45mと据え置きスキャナーにしてはやや短い印象はあるものの、
点群もきれいに揃っており視覚性も高く、立体感や色再現性も非常に高い印象です。
2.NavVis VLX3
もはやSLAM式レーザースキャナーの中でも絶対王者といっても過言じゃないのでは?というNavVis社のVLX3。
当然、他製品と比較して価格帯や重量はそれなりに覚悟が必要な前提ではあるが、やはりこの結果を見せつけられると納得の一言。据え置き型と同等、もしくは視覚性の高さについてはそれ以上にすら感じます。
一瞬写真データかと勘違いしてしまうほどの鮮やかな色表現と滑らかな点群密度。
赤茶色のレンガの立体までしっかりと確認できるのが見て取れます。
これが全て点群の集合体とは…ただただ驚きを隠せません。
弊社製品紹介ページでも度々登場する僅か1kgの軽量ハンディレーザースキャナーxgrids社Lixel K1。
驚くべきは、据え置き型のレーザースキャナーでは2時間ほどの計測時間を要したこのエリア全体を、この機種ではたった20分ほど持って歩いただけのデータという事。
あとは付属の点群処理ソフトLixel studioでポストプロセッシング処理を行ってくれる為、ノイズ除去やカラー点群をこのレベルにまで仕上げてくれます。
RTKユニットや予備バッテリーなど一通りのオプションを付属しても300万円程度に収まる、
ボトム機種の中でも驚異的なコストパフォーマンスが魅力の機種となります
2024年10月にxgrids社待望の新機種が登場。3のLixel K1の上位機種となるLixel L2pro。
ハンディレーザースキャナーとは思えない驚きの点群精度と密度。建造物などのエッジの視覚性はもはや据え置き型と同等と捉えられるレベルではないでしょうか。
レーザー距離120m、回転式レーザーセンサー採用によりフルドームのスキャンをカバーできる他、本体でリアルタイムにポストプロセッシング処理をある程度行ってくれる為、ワークステーションでの解析処理時間も短縮できるようになりました。
とにかく昨今の移動体型レーザースキャナーは強烈なスピード感で進化しており、世界でも大きなトレンドカテゴリーとなっている様子が伺えます。
・道路の横断歩道付近
https://maps.app.goo.gl/b4GGKAJGJfop53bA8
1.Leica BLK360 G2
計測ポイントでは常に車が行きかっており肝心な横断歩道の一部にノイズが入ってしまいましたが、
全体的に点群密度やシャープさに加えRGBも非常にバランス良く判別できる印象。歩道との区別もしっかりと確認ができ、基本的には図面のトレースに必要な精度も十分得られそうです。
こちらでも他機種と比較して、ひと際視覚性の良さが目立つ印象。白線のシャープさ、路面との境目の分かりやすさ、色の明るさ、どれを取っても非の付け所が見当たらないレベルではないでしょうか。
さらに解析に一定の時間は要するも、独自のクラウドポストプロセッシング処理により通行人や車などのノイズ処理を施してくれる事も、当機種の優れているポイントの一つだと思います。
今回の比較機種の中でも一番の下位機種という事だけあって、さすがに路面素材の比較データでは差が見えました。
『路面をスムーズにトレースしたい』というニーズに関していえば少し物足りない印象は感じますが、逆に言えばこのクラスで全ての精度を満たせてしまうレーザースキャナーが存在するなら、市場の生態系が大きく崩壊してしまう事になるでしょう。
1kgの低価格帯軽量ハンディレーザースキャナーの機動力を活かした活用シーンとしては例えばセカンド機として建設土木現場での現況測量などでも大いに活躍しそうです。
このシーンでもやはりxgrids社のL2proのクオリティが際立っているように見えます。
データだけの単純比較ではここでも2.のNavVisVLX3に軍配が上がると思いますが、VLX3の本体重量8.5kgに対して、xgrids社L2proは本体重量1.7kg。価格帯も3倍以上の価格差。
価格帯・重量・精度などの総合的な視点で見たときに、このL2proの価格帯のゾーンで他に対等できる機種は
現時点でなかなか見当たらないのではないでしょうか。
・ レーザー距離比較
1.Leica BLK360 G2
レーザー有効距離 45m
2. NavVis VLX3
レーザー有効距離50m
3. xgrids Lixel K1
レーザー有効距離 40m
4.xgrids Lixel L2pro
レーザー有効距離 120m
全機種の表記スペック有効距離の通り、建造物の上までしっかりと点群で捉える事ができました。
それぞれの価格帯やスペックで見ても納得ができるレベルのデータかと思います。
ここでも際立つのは4.のXGRIDS社Lixel L2pro。計測外の周辺の道路や奥の高架橋まで点群を捉えており、これもエリアの現況把握に役立ちそうです。
・ 階段のエッジ
1. Leica BLK360 G2
※諸事情により他3機種とは別の階段で計測。
2. NavVis VLX3
3. xgrids Lixel K1
4.xgrids Lixel L2pro
階段については点群の密度が視覚性に大きく関わる印象もありますが、2.Leica BLK360 G2のエッジやシャープ感を見ると、据え置き型の安定感の強さを感じます。
何を優先させるか?どこまでを求めるか?選択する基準は利用用途によって様々分かれると
思いますが、当比較レポートがユーザー様の判断にとって少しでもお役に立てれば幸いです。
今回比較で使用した4製品については弊社神戸清光でデモが可能でございます!
「実際にデモで触ってみたい」、「現場でデモデータを計測してみたい」などのご要望がありましたら是非とも弊社までお問合せください!
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記事担当:㈱神戸清光 松本