トプコンレーザースキャナー
『ESN-100面トル』講習会レポート


2024年8月28日 神戸清光

2024年8月1(木)・2日(金)

株式会社トプコンソキアポジショニングジャパン様の神戸トレーニングセンタで開催された

新製品『ESN-100 面トル』講習会に参加させていただきました!


今回はその内容をレポートしていきます。

3Dレーザースキャナー『ESN-100』 (愛称:“面トル”)座学

始めの挨拶から安全講習を経て、面トルの開発に至った経緯の説明がありました!



簡単にまとめると…

i-Constructionから3Dスキャナーは注目されはじめ、次第に市場も拡大しました。

しかし大企業以外はまだ外注委託することが多く、

今後は3次元点群計測の原則化がうたわれており、

このままでは中小企業の負担が大きくなる可能性が高いです。

そこで、点群計測の内製化促進を目的に誰でも簡単に手軽に始められる

スキャナーの開発に着手しました。


これまでのスキルが必要だったプロセスを自動化し、

再測するケースを無くすためその場で確認できるシステムなどを取り入れ、

多くの不安要素を撤廃することができました。

実際に使用された方からは、

「初めてだったが操作が覚えやすく、施工の日常管理がラクになりそう」

との意見もすでにあります!



次に詳しい機能の紹介です。

計測の自動化

自動整準・自動ターゲット検出・自動レジストレーション
3つの自動化により誰でも3D計測が可能に!

自動整準・自動ターゲット検出・自動レジストレーション 3つの自動化により誰でも3D計測が可能に!

簡単な計測の流れを実現

三脚に設置→ボタンひとつで自動整準→遠隔操作&自動スキャンさらにデータ結合&座標付けも!

三脚に設置→ボタンひとつで自動整準→遠隔操作&自動スキャン さらにデータ結合&座標付けも!

商品の詳細などは、以前記事を作成してますので そちらをご確認ください!

http://www.kobeseiko.co.jp/ksi_report51.html (引用:(株)神戸清光HP)





2時間ほどの座学講習の次は、いよいよ外で実機の体験に…!

この日の最高気温は35℃…!しっかりと熱中症対策をして挑みました。

この日の最高気温は35℃…!しっかりと熱中症対策をして挑みました。

既知点を捉えられる場所ならどこでも設置可能! バッテリー満充電で約4時間連続使用できます。

既知点を捉えられる場所ならどこでも設置可能!
バッテリー満充電で約4時間連続使用できます。

3班に分かれ、順番に全員が操作できるように段取りをしてくださいました。

本体の簡単な操作説明を聞いたあとは1組ずつ、

フィールドソフトウェア

『Topcon Raster Scan (トプコンラスタースキャン)』

が、インストールされたフィールドコントローラー

『FC-6000A』

を持って、講師の方に操作方法を教わりました。

イメージよりもひとまわり小さく、重さは約1kg。 本体から約30mまで遠隔操作でき、満充電で約20時間連続使用可能と長持ちです。

イメージよりもひとまわり小さく、重さは約1kg。
本体から約30mまで遠隔操作でき、満充電で約20時間連続使用可能と長持ちです。

本体を据えたあとはコントローラーで新規の現場フォルダを作成し、

特徴のひとつである後方交会法による

自己位置確定のためのターゲットに使用する既知点を選びます。


100m以内に2点あれば問題ないのですが、

最も近い3点を選択し、プリズム高の差を約15cm作ることで

動作が安定し制度も上がります!


これでスキャン前の準備は完了。

「Scan」ボタンをタップし、新規ステーション名と

点群密度(5.5mm or 11mm@10m)と、パノラマ写真撮影の有無を選択すれば

スキャンが始まります。

(5.5mm@10m写真有りで約5分10秒、写真無しだと約3分40秒に短縮)

既知点データ入力に少し時間はかかりますが、  気候や天気に左右されない社内での作業となり、  それ以上に現場での作業時間が減るため  効率アップは間違いなし!

既知点データ入力に少し時間はかかりますが、

気候や天気に左右されない社内での作業となり、

それ以上に現場での作業時間が減るため

効率アップは間違いなし!

スキャンが終わりデータを確認。

点群データが2DのRGBで色付けされ表示されています。

「密度」「抜け」「高さ」の項目があり、どの項目を確認するか指定可能です。

「密度」「抜け」「高さ」の項目があり、どの項目を確認するか指定可能です。

1時間ほど野外講習を体験して、一日目は終了!

2日目
2日目 前日の復習を30分ほど座学で行い、その後すぐに外へ! 最高気温は35.9℃…!汗が止まりませんでした…

昨日で操作方法はマスターしたため、

午後から出力データを確認する分の複数スキャンを実施するとともに、

点群の結合具合を確認・設計データとの比較確認を行いました。

白い部分が設計データ上で十分な点群が確保できており、  水色部分は設計データがそのまま現れているため  点群が取得できていません。  計測漏れを防ぐことが可能です!

白い部分が設計データ上で十分な点群が確保できており、

水色部分は設計データがそのまま現れているため

点群が取得できていません。

計測漏れを防ぐことが可能です!

日々の点群データを比較することにより  進捗具合を確認できます。  現在の土量と設計時に決めた土量の差が右上に表示され、  画像のように指定したエリア内の情報だけを  表示させることも可能です。

日々の点群データを比較することにより

進捗具合を確認できます。

現在の土量と設計時に決めた土量の差が右上に表示され、画像のように指定したエリア内の情報だけを

表示させることも可能です。 

https://www.topconpositioning.asia/jp/ja/products/brand/topcon/esn-100/
(画像引用:株式会社トプコン様HP)

専用のソフトリュックサック。背負うと意外と軽く感じました!

専用のソフトリュックサック。背負うと意外と軽く感じました!

ひと通り計測が終了し、お昼休憩を挟んだあとは

スキャンしたデータを点群処理ソフトで確認しました。


色付き出力で約6分、色無しだと約1分で完了。

環境により変動はありますが、色の有無が一番顕著に時間に現れるとのこと。


綺麗に取れていて、初めてスキャナーを使用する以外の方でも満足できる結果だと感じました!

講習内容が全て終わり、最後に質疑応答タイムへ。

技術設計の方たちと直接話すことができる貴重な時間を作っていただきました!


ノイズの除去や、別のハードでも動かせるようにしてほしいなどの意見があり、

改善点をまとめ次第順次アップデートし対応していくとのこと。今後にも期待が持てます!

所感(体験してみて)

シンプルで難しい操作は無く、製品の特長通り覚えやすいと感じました。


また、簡単と侮ることはなく、

点群密度の変更や既知点データ無しでのスキャンを可能にする細かい設定にも対応しているため、

慣れてくればそれらの機能を活用して状況に合わせた設定でスキャンすることもでき、

応用力もあります。

『Collage site』というフィールドソフトウェアが既にありますが、

『Topcon Raster Scan』を開発したのは、

初めての人でもわかりやすく操作してもらいたいというトプコン様の強い意志の現れだと感じました。


これからもICT施工の発展を促すような商品が次々と開発されるはずなので、

より多くの方が3Dデータを活用していく世の中に貢献したいと改めて実感させられました。

著:㈱神戸清光 山本  編集:松本・森山