2024年5月23日に、花博記念公園緑地ハナミズキホールにて
「インフラメンテナンス国民会議近畿本部フォーラム2024」が開かれました。
倉敷紡績株式会社様よりご案内をいただきまして、勉強も兼ねて参加してきました。
前回同様、4月1日より入社した新人で本記事を作成します!
インフラメンテナンス国民会議は、インフラを良好な状態で持続的に活用するために
産官学が一丸となってメンテナンスに取り組む社会の実現に向けて、様々な主体が参画し、理念の追求、
課題の解決およびイノベーションの推進を図る産官学民のプラットフォームのことです。
本組織は、活力ある社会の維持に寄与することを目的とし、国土交通省および関係省庁が支援しています。
インフラメンテナンスに取り組むとともに、インフラメンテナンスの理念の普及を図り、
活力ある社会の維持に寄与することを目的として、
平成28年11月28日にインフラメンテナンス国民会議が設立されました。
展示ブースを見て回る前に、本展では多くの方の講演がスケジュールされていました!
その中でも国土交通省 大臣官房 参事官(イノベーション)森下博之氏の
「i-Construction 2.0~建設現場のオートメーション化~」
の題材に惹かれ、今後の仕事に活かせると思い拝聴。
内容をまとめると、i-Constructionの次のステップとして
i-Construction2.0は今年4月16日に発表された施策で、主に4つの目標があります。
1, 省人化(生産性の向上)
2, 安全確保
3, 働き方改革と多様な人材の活躍
4, 給与が良く、休暇が取れ、希望が持てる建設業の実現
これらを実現するため、2040年までに向けた建設現場での取り組みの軸として
『施工』『データ連携』『施工管理』
の3つのオートメーション化を進めていき、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く
生産性の高い建設現場の実現を目指していきたいとの事でした!
2040年には働き手が2割減少することが予測される中で、
高度経済成長期頃に整備されてから50年以上が経過する道路やトンネルが
加速度的に高くなる事が懸念されています。
また最近地震等の自然災害が多発し、加えて被害も大きいものが増加しているため、
人口減少下でも迅速な対応が求められています。
これら人口減少に対する対策として『省人化』の流れは必然的なものであり、
我々も測量機器の専門商社として、迅速に対応していかなくてはと痛感いたしました!
(引用:国土交通省i-Construction 2.0 ~建設現場のオートメーション化~)
講演後は展示ブースへ移動!内部展示会の様子です。
インフラメンテナンスに活用できる企業様それぞれの特色ある商品や
取り組んでいる事業がひと目でわかるような展示が多かったです!
外の展示会の様子です。休憩所等もあり活気づいておりました!
先に本展示会にご招待いただきました「倉敷紡績株式会社様」のブースに行きました!
ご挨拶をさせていただき、まずは「PG-4」を拝見しました!
簡単な説明が書いてあるタペストリーを発見!なんと、こちらは
車で走行しながら道路のひび割れ等を検出できるというシステムになります。
驚きは、高速道路で最高速度の100km/h出しても、綺麗にひび割れが検出できる点です!
実物はこちらになります。
実物を見てみるとそれほど大きくないので、
一般車両にも取り付けることが可能なのが分かります。
車で走行しながら測定できるので、大きく計測の手間が省けて
交通事故や道路陥没等を防ぐのに大きく貢献しそうで今後に期待の機材ですね!
詳しくは下記URLでご参照ください!
引用元:https://www.kurabo.co.jp/el/infrastructure/road/
次に拝見したのは、「TM-270」で鉄道トンネル検査のシステムになります!
こちらも高速でひび割れの、検出が、可能な機材になります。。。!
実物はこちらになります!
こちらはトンネル検査ということもあり、目の前で拝見するとかなりの大きさでした!
組み立てに少し時間はかかりますが、長くて広い鉄道トンネルを短時間で計測できる点は驚きです!
トンネルは老朽化が激しいものになりますので、インフラに大きく貢献できる機材ですね!
詳しくは下記URLをご参照ください。
https://www.kurabo.co.jp/el/infrastructure/tunnel/
凄いな~と思いながら機材を見ていると、「良かったらこちらもどうぞ」と案内していただきました。
すると大きな機械があったので、気になり尋ねてみました。
こちらはなんと、電動草刈り機とのこと!
これがあれば、暑い夏や寒い日に鎌を持って刈り取る作業・トラクターを動かす必要もなく、
車の中や部屋から遠隔で刈ることができます!
実際に私達も動かしてみましたが、操作もとっても簡単で、楽でした!!
農業だけでなく、建設業で建物建設前の土地整備でも活躍しそうですね!
次に見せて頂いたのは、「MICROS TITAN」という無人遠隔放水車になります!
近づかなくても遠隔で、放水ができるので、
人が立ち入ると危険な火災や放射線事故火災等に大きく貢献しそうです!
こちらも、とっても操作が簡単で操縦しやすかったです~!
外部展示で私達が目を惹かれたのは国土交通省様が展示されていた
「簡易遠隔操縦装置 ロボQS」を設置したバックホウ(ユンボ)です。
気になって眺めていると、スタッフの方に「動かしてみますか?」と声を掛けて頂き、
体験させていただきました…!
傍にいた講師の方が、ひと動作ずつ丁寧に教えてくださりました!
一般のバックホウ(ユンボ)に2人で約1時間という短時間で装置を取り付けることができ、
動作設定もボタンひとつで完了!
150mまでの距離であれば遠隔操縦可能で、
無線機の充電は約8時間もつため、日中は問題ありません!
少しずつ進化を重ねており、以前は倍以上の総重量があったり
設置に3人がかりで2~3時間掛かっていたりしていたみたいです…。
今後は応用や改造を行い、対応の範囲や用途の拡大を推進するとのこと。
安全な場所から現場の管理ができ、災害現場での2次災害による事故も防げるため、
自然災害の多い日本ではこれからかなり普及していくのではないかと感じました!
画像引用元 国土交通省HP https://k-keikaku.or.jp/category/kyushugihou/69/69ronbun/
難しい操作はなく、慣れればラジコン感覚で動かすことができ驚きました…!
事前調査で気になっていたスマートフォン等のLiDARセンサーを利用した3D測量を展開している
「PIX4D株式会社」様へ。
スイスに本社を置き、日本を含む7ヶ国に拠点があるグローバルな企業です。
無料のアプリ「PIX4Dcatch」をインストールしたモバイル端末で
対象物をスキャンして簡単に点群データが取得可能!
さらに専用のRTKローバー「viDoc」を組み合わせることで位置情報の精度を高め、
5cm以下の絶対精度で計測できるとのこと。
(これは国土交通省が定める基準を満たし、出来形管理容量に活用できる精度のため
公共測量でも問題なく使用可能)。
また専用のクラウド「PIX4Dcloud」を利用すればその場でデータ処理もできます!
このように身近なモノから入ることができ、便利さを体験できることは
今後レーザースキャナー等の最新機器ユーザーを増やしていくに関して重要だと思いました。
次に株式会社パスコ様のブースに移動!
衛星を使用し地盤変動を把握することが出来るモニタリングサービス。
なんと、ミリ単位の変動を解析できるというのだから驚き!
衛星自ら電波を照射することで、その反射情報から僅かな地表面の変動を観測することを可能とする。
その精度はミリ単位で地表面からの測量との差はほとんどありません。
衛星なので広範囲に渡り観測することが出来る上に、日時天候の影響を受けにくいのも大きな特徴。
これにより断続的な観測が可能で時系列順に把握することが出来、
僅かな変化も見逃さず安全面においても大いに貢献すると考えます!
(画像引用https://www.youtube.com/watch?v=98HjDVDM_oA)
このような地盤の変動はGNSS機器を使用し把握しているものと思っていましたが、
衛星による観測という事を知り、今求められている省人化や安全性においても
更に普及し、活用されるべき技術だと感じました!
最後に、五洋建設株式会社様のブースに移動。
大きなボートのような物があったので担当者に尋ねてみると、
こちらは橋の裏等を点検するシステムとのこと。
橋の下では海や川になっている為、通常の測定器では測定できず、危険を伴う為こちらの
iBoatが活躍!どのくらい劣化しているかも把握可能です!
歩いていると、建物ではなく水中を測定する探知機があり、珍しく思い尋ねてみました!
手法順番は下記になります。
引用元:https://www.penta-ocean.co.jp/news/2018/180116.html
高度経済成長期時代に作成した橋が60年の時を経て劣化しているものも多くなっている中、
海上で測定器を使って測定するのは危険が伴う為、
i-boatを使うことにより短時間で安全に測定できますね!
様々な企業努力を見ることが出来ました。
業界が過渡期にある中で私たちの役割は、このような企業努力を伝え広めていき、
使用していただく事だと考えました。
これからもアンテナを張り、より良い提案が出来るようになります!(森山)
入社間もない私たちが勉強している間にも、技術の進歩は進んでいると痛感…
日々の積み重ねと同時進行で、最新技術情報も掴んでいかなければならないことが学べました。(山本)
これからも不定期ではありますが記事を作成していきますので、今後ともよろしくお願いいたします!
それではまたお会いしましょう~!
作:㈱神戸清光 森山・山本