2023年9月14日に神戸清光小野トレーニングセンターでCPDSセミナーが行われた。
――神戸清光では様々なセミナーを実施しているが、本セミナーでは“点群”をテーマにCPDSセミナーを開催した。
本記事ではその様子をみなさまにお伝えする。
セミナーの依頼も承っているので、是非参考にしていただきたい。
2023年7月開催分のセミナーのレポート記事はこちらから。
今回実施したCPDSセミナーの概要。
▲神戸清光小野トレーニングセンターで本セミナーを実施した。
本会場ではドローンの飛行練習も可能だ。
神戸清光小野トレーニングセンターについての詳細はこちらから。
本セミナーのテーマは「応用しよう、点群。」である。
レーザースキャナで取得した点群データをどう活用していくかを実際の計測の様子を通してお伝えしてく。
また、本セミナーはCPDSセミナーとして開催しているのでICT施工の流れと絡めながらご紹介を行った。
ICT施工と聞くと、マシンガイダンス/マシンコントロールのイメージが先行しがちだが、企業の価値創出のために挑戦いただきたいのは「3次元起工測量」と「3次元設計データ作成」だと筆者個人的には感じる。
これらの工程を自社内で行うことが出来れば、3次元への技術対応力も研磨することが出来るだろう。
各テーマについては、当日のスケジュール表をご参照いただきたい。
▲ICT施工の流れ。
本セミナーで地上型レーザースキャナの一例として紹介されたのが ライカ「BLK2GO」「BLK360 G2」だ。
神戸清光のレポート記事にも度々登場しているのお馴染みの機種である。
「BLK2GO」はハンディタイプのレーザースキャナである。
手に持って歩きながら計測するだけで点群データを取得することが出来ることが特長だ。
“器械点に据える”という概念ではなく、ビデオ録画のように常に点群が生成されてデータとなる。
「BLK360 G2」は新型モデルのBLK360だ。
こちらは各器械点でスタートボタンを押すことで点群データ取得が行われる。
基本的にはターゲットの設置は必要なく、構造物などを特徴点として自動合成が行われて1つのデータが構築されていく。
各製品とも難しい測量技術がなくても点群データを作成することが出来ることが大きな特長だ。
当日はそのシンプルな操作性をお伝えすることで、点群取得に対するハードルの低さを感じていただくことが出来た。
▲ライカ「BLK2GO」と「BLK360 G2」
それぞれハンディタイプと据え置き型のレーザースキャナだ。
「BLK2GO」の製品情報はこちらから。
「BLK360 G2」の製品情報はこちらから。
▲神戸清光のベテラン営業担当者が解説を行う。
動画「地上スキャナーからハンディスキャナーへ!
点群データは固定式から移動式へ」
▲実際の計測の様子を見ていただきながら
ICT施工への活用をイメージしていただく。
2コマ目ではドローンを使用した点群取得もあることをお伝えした。
DJI「Zenmuse L1」はドローンに装着するタイプのLidarである。
カメラも付いているため、RGB値の取得すなわち点群には現場の色彩が再現される。
――ドローンを使用した点群取得のメリットは「広範囲の現場の点群化が効率的に行える」ということである。
森林や、特徴点のあまりない広大な敷地などはドローンの方が、より効率的に点群取得を行うことが出来る。
地上型レーザースキャナで1点1点器械点を据え変えながら広大な範囲を計測することは、やはり時間が掛かってしまうことが実情だ。
また、地上型レーザースキャナでは特徴点(もしくはターゲット)を用いて合成作業を行うため、
森林のような周囲の状況が似ている現場や、細かな葉が揺れ動いて特徴点となり得ない現場はその本領が発揮できない。
しかしながら、本セミナーで紹介した「Zenmuse L1」ではレーザーの返り方の設定も細かく行うことが可能なため、
地上型レーザースキャナと比較すると圧倒的なスピードで地表面の情報取得などが出来るのだ。
フライトしながらリアルタイムに点群取得されることが可視化され、さらに器械点ごとの点群合成作業がないため内業への負荷も少ない。
▲産業用ドローンの新モデル。
DJI「Matrice 350 RTK」
▲航空測量用のLidar + RGBソリューション。
「Zenmuse L1」
▲神戸清光のベテラン営業担当者が解説を行う。
「DJI Matrice300RTK/L1での点群計測 斜面および立面の点群取得」の動画
▲実際のフライトも行い、
「Zenmuse L1」の特長でもあるリアルタイムでの点群取得を体験していただく。
▲DJI「Matrice 300 RTK」に「Zenmuse L1」を装着してフライトを行った。
プロポ(送信機)の画面を参加者にお見せしながら、圧倒的に効率的な点群取得を体験いただく。
「NavVis VLX」という装着型の地上型レーザースキャナ技術についてもご紹介を行った。
2台のLidarセンサーと4台の魚眼カメラを搭載し、縦/横複数のレイヤーの3次元点群データを高密度で取得できる本製品。
データ作成とデータの使用、すなわち3Dデータへのアクセスをどちらも扱いやすくすることが目指されている。
また、SLAM技術も適用されているため、自己位置推定も可能である。
点群取得だけでなく、計測対象のマッピングも可能だというのが本製品の醍醐味だ。
そのNavVis(ナビビズ)を使用して取得した点群データから2次元平面図を作成する方法についてのご紹介を行う。
3次元データの汎用性の高さを感じていただくことが出来ただろう。
▲ウェアラブルスキャナー「NavVIS(ナビビズ)」の製品イメージ。
ウェアラブルスキャナー「NavVIS(ナビビズ)」の製品情報はこちらから。
▲点群データから2次元図面を作成する方法を神戸清光営業担当者から提案する。
最後のコマでは地上型レーザースキャナとドローンで取得したそれぞれの点群データの融合を行う技術についてご紹介を行った。
点群取得技術を取り入れる企業が増える中、現在活用が進むのが「地上型レーザースキャナとドローンで取得する点群の組み合わせ」だ。
どの技術を用いて点群を取得するかは現場の特色に合わせることが重要だが、製品を複数組み合わせて3次元データを作成するとその品質はより高くなる。
地上と上空からそれぞれ取得される点群情報を組み合わせることで現場の再現度を向上させることが、他社との差異化になるだろう。
また、その組み合わせの品質を上げるためにDJI社のオブリーク(傾斜撮影)機能のご紹介も併せて行った。
それは、下方・前方・後方・左右の計5方向から撮影を行うことで精度の高い3次元データの生成を実現する機能だ。
撮影した写真を点群データ化する場合に有効となる本技術。
細かな機能に感じられるかもしれないが、高精度のデータ作成のための要素の1つとなる。
▲ドローン技術に精通する神戸清光営業担当者がこのパートをご紹介する。
本セミナーでは、地上型レーザースキャナとドローンそれぞれの得意な点を理解した上で技術導入を行うことが重要であることを神戸清光営業担当者がお伝えした。
どちらが絶対的に良いということはなく、「どちらも良い」ということを筆者は感じた。
ユーザーが日々対峙している現場は十人十色。3次元データは汎用性も高いが、その取得方法も色々なタイプがあることを再認識した。
――企業によって対応することの多い現場の環境も異なるため、どこにゴールを持っていきたいかという最初の設定が重要だろう。
神戸清光では、そのゴールに対してどのように新技術を導入していくか・最短のルートは何かをご提案している。
何かお困りのことや解消したい課題があれば是非私たちにご連絡いただきたい。
(株)神戸清光 広報チーム
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