地上型レーザースキャナ「FARO Focus Premium」&
専用ソフトウェア「FARO SCENE Software」ってどんな感じ? ――製品イメージを深めて、製品選定に活かす!

――レーザースキャナによる3次元データ取得が普及しつつある今、ユーザーのニーズ・目標・ゴールに合わせた製品選定が重要だ。今回は、地上型レーザースキャナ「FARO Focus Premium」&専用ソフトウェア「FARO SCENE Software」にスポットを当てて、その特長を見ていこう。


「FARO Focus Premium(ファローフォーカスプレミアム)」の製品情報はこちらから。

「FARO SCENE Software(ファローシーンソフトウェア)」の製品情報はこちらから。

「FARO Focus Premium」で神戸清光大阪支店の周辺を計測した。

▲「FARO Focus Premium」で神戸清光大阪支店の周辺を計測した。

▲黄枠内が計測した範囲。
計測完了までの所要時間は1時間45分(計27器械点)だった。

ブラッシュアップされたスキャンスピード。
それが、「FARO Focus Premium」だ。

FARO社の地上型レーザースキャナとして最新機種となるのが「FARO Focus Premium」だ。
同シリーズからは、それぞれ350/150/70 と計測レンジの異なるタイプが展開されている。
当日は、中距離レンジ対応の“Focus Premium 150”を使用して計測を行った。
Premiumシリーズではミドルレンジとなる最大150mの計測が可能だ。

――従来機種のFocusシリーズと比較すると、Premiumでは「スキャンスピードの短縮」が特長だといえるだろう。 “解像度”と“品質”を組み合わせることで調整できる計測時間への感覚はそのまま、前比最大50%のスキャン時間の短縮も可能だという。重量はバッテリー込みで4.4㎏。バッテリーは最大4時間使用出来る。 最初の設定さえ行えば、サクサクと計測を進めていける印象だ。

また、スキャナ本体だけでなくアプリやクラウドも活用されることを想定しながらしっかりと展開されている。専用モバイルアプリ「FARO Stream(ファローストリーム)」は、Apple/Androidのどちらでもインストール出来る。 そして、クラウドサービス「FARO Sphere(ファロースフィア)」では、データの管理を一括で行うことが可能だ。 チームでのデータ管理が想定されており、FARO社の現場を想定した製品づくりが感じられる。

「FARO Focus Premium」の詳しいスペックについては、下記の表を参照いただきたい。

「FARO Focus Premium」のスペック。 (カタログ情報より抜粋)

▲「FARO Focus Premium」のスペック。
(カタログ情報より抜粋)

▲データ管理はSDカードで行う。

▲データ管理はSDカードで行う。

本体のパネルは滑らかに操作が出来る。

▲本体のパネルは滑らかに操作が出来る。

日本語の情報が多くない製品だからこそ、
実機を見てほしい。

アメリカフロリダ州に本社を置くFARO社のレーザースキャナについて、インターネット上で情報を取ろうとしても、日本語でその使用感を確認出来るページはそれほど多くない。 そのため、とにかく“実機を見る”ことで使用イメージを膨らませていただきたいのが、「FARO Focus Premium」である。

当日の計測は、株式会社ヤマイチテクノ 3Dソリューションユニット ソリューショングループの須崎氏と一緒に行った。同氏は「このPremiumシリーズで、計測がもっと楽になりましたよ。計測時間が短縮出来るんです。」と話す。 既に本製品を使用するユーザーや、本製品について導入を検討するユーザーの業界は多種多様だという。 また、「意外と軽いので、気軽に多くの現場に持って行けますよ!」とも同氏は話した。

「『FARO』の計測は何か難しそう…」というのが、筆者が個人的に抱いていた製品イメージだが、
須崎氏がサクサクと計測を進めていく姿を間近で見て、本製品がカタログ上で掲げる利点が本当なのだと感じることが出来た。


「実録!『FARO FocusS+ 350』の点群データを神戸清光営業担当者が体験。」レポートはこちらから。

株式会社ヤマイチテクノ 3Dソリューションユニット ソリューショングループ 須崎氏。 当日、一緒に計測を行った。 様々なデータ計測にも携わっている同氏は「“FARO Focus Premium”はめちゃくちゃ良いですよ。」と話す。

▲株式会社ヤマイチテクノ 3Dソリューションユニット ソリューショングループ 須崎氏。
当日、一緒に計測を行った。様々なデータ計測にも携わっている同氏は「“FARO Focus Premium”はめちゃくちゃ良いですよ。」と話す。

専用モバイルアプリ「FARO Stream」の
自動合成がビタッと決まる感じが気持ち良い。

専用モバイルアプリ「FARO Stream(ファローストリーム)」の使用感も中々良い。
リアルタイムでアプリ上に取得中の点群が表示されていく。 いわゆる「スマホ」で、このアプリを動かしたが、最後まで落ちることなく運用することが出来た。 本体でのスキャン終了後、アプリにデータが転送されるまでのタイムラグは数十秒~1分程であった。 体感としては、あまり気にならない程度である。

また、特に気持ち良いのが、2器械点以降に見ることのできる自動合成が決まった瞬間。
オレンジ色に変わり自動でビタッと重なると、本体が現場を認識していることが分かる。
もちろん手動での合成も可能であり、アプリを使わずに計測することも出来るので、様々な環境での計測に対応することが出来るだろう。

「FARO Stream」は、Apple/Androidのどちらでもインストール出来る。
下記の動画で「FARO Stream」を体感いただきたい。

専用モバイルアプリ「FARO Stream(ファローストリーム)」の画面。

▲専用モバイルアプリ「FARO Stream(ファローストリーム)」の画面。

「FARO SCENE Software」は直感的に動かせる。

取得したデータはSDカードに保存され、それを専用ソフトウェア「FARO SCENE Software(ファローシーンソフトウェア)」で合成する。本ソフトでは、データを別タブで管理したり、器械点ごとに階層的に管理することが可能だ。また、計20種類以上の拡張子でのインポート/エクスポートにも対応することが出来る。 さらに、VR形式でのデータ表示も可能であり、データ共有の自由度の高さが光る製品だ。

特に筆者が魅力を感じたのは、同製品のビューワーである「SCENE LT(シーン エルティ)」。
無料でダウンロード出来るビューワーなのだが、そう感じさせない機能性の高さがあった。
「(「FARO SCENE Software」と比べると)合成できるかできないか、という違いですかね。」と話すのは、株式会社ヤマイチテクノの須崎氏。 筆者も使用しているが、まるで有料版かのように錯覚するくらい完成度の高いビューワーとなっている。

FARO社のレーザースキャナのデータを取り込まないと機能に制限はあるものの、 試しに他社レーザースキャナのデータをLTで取り込んでみたが、問題なく表示することができた。 まずは、このソフトからFARO社製品を体験してみるのも有効かと考えられる。

筆者個人的にFARO社のソフトウェアにあまり触れたことがなかったが、直感的に操作できるので、
“慣れ”が本製品活用までのキーワードの1つだと感じられた。

以下、「FARO SCENE Software」で表示した当日のデータを見てみよう。

「FARO Focus Premium」で取得した点群データ① ビルの高さがしっかり再現されている。

▲「FARO Focus Premium」で取得した点群データ①
ビルの高さがしっかり再現されている。

「FARO Focus Premium」で取得した点群データ② 地面の凹凸感や、段差の角まで再現される。

▲「FARO Focus Premium」で取得した点群データ②
地面の凹凸感や、段差の角まで再現される。

「FARO Focus Premium」で取得した点群データ③

▲「FARO Focus Premium」で取得した点群データ③

「FARO Focus Premium」で取得した点群データ④ ある器械点から。本体を据えた所には、アイコンが表示される。

▲「FARO Focus Premium」で取得した点群データ④
ある器械点から。本体を据えた所には、アイコンが表示される。

「FARO Focus Premium」で取得した写真データ① 写真データも綺麗だ。

▲「FARO Focus Premium」で取得した写真データ①
写真データも綺麗だ。

「FARO Focus Premium」で取得した写真データ②

▲「FARO Focus Premium」で取得した写真データ②

ハンディタイプのスキャナ「FARO Freestyle 2」で
データの再現性を高めよう。

FARO社からは、ハンディタイプスキャナも展開されている。
それが「FARO Freestyle 2」だ。株式会社ヤマイチテクノの須崎氏によると、「地上型レーザースキャナでのデータを『補完』するイメージで、本製品を使っていただくのもとても良いですよ。」とのこと。
本製品はハンディタイプだが、最大10mの測定が可能である。
計測時の環境に調整が必要であれば、画面上に警告が分かりやすく表示されるため、計測し終わってから分かる、「あそこの点群が足りていなかった」という状態にはなりにくい。

――3次元データ活用の加速により、点群データ作成のためのツールは1種類とは限定されない。
地上型レーザースキャナ×ドローンなどの組み合わせでデータ作成を行うユーザーも増えてきているが、
“地上型レーザースキャナ×ハンディスキャナ”という組み合わせでデータの質を上げるパターンもある。

―—地上型レーザースキャナ「FARO Focus Premium」とハンディスキャナ「FARO Freestyle 2」の組み合わせで、より細部まで再現されたデータ作成の実現が可能となるだろう。また、本製品だけでプラント関連を計測するということも多くあるという。

「FARO Freestyle 2」で取得したデータは、専用ソフトウェア「FARO SCENE Software」で処理を行う。
製品ごとに別ソフト/アプリを導入する必要はないため、費用対効果が高いといえるだろう。
製品間で同一のソフトを使用できる、この連動性は中々魅力的だ。
この“連動性”はあることが当たり前かもしれないが、それが感じられないメーカーもある。

「FARO Freestyle 2」は“補完”と“単体”の両方の目的に対応出来るハードだと感じられた。

ハンディスキャナ「FARO Freestyle 2」の製品イメージ。

▲ハンディスキャナ「FARO Freestyle 2」の製品イメージ。

「FARO Freestyle 2」の製品情報はこちらから。

「FARO Freestyle 2」の実機。

▲「FARO Freestyle 2」の実機。

テスト計測で画面中央の机を計測した。

▲テスト計測で画面中央の机を計測した。

専用のマーカーを置けば、FARO社地上型レーザースキャナのデータと簡単に重ねることが出来る。

▲専用のマーカーを置けば、FARO社地上型レーザースキャナのデータと簡単に重ねることが出来る。

「FARO Focus Premium」で、実機を触ることの重要性を再実感。 補完的に「FARO Freestyle 2」でデータ取得するのも〇。

この計測を行うまで、筆者はFARO社のレーザースキャナとの接点があまりなかった。
抱いていたイメージは「何か難しそう…。」ということ。
しかし、1つのデータ作成までの流れに立ち会うことで、製品の活用イメージを深めることが出来た。
本記事でご紹介した2製品を言葉で表現するのであれば「スルスル動く」というところか。
ハードとソフトともに、直感的に触れるインターフェイスが特徴だと感じられた。

レーザースキャナは、そのデータの汎用性の高さから使用する業界を選ばない。
何かお困りのこと、解決したい課題等あれば神戸清光までお気軽にお問い合わせください。
一緒に解決しましょう。

(株)神戸清光 広報チーム

株式会社ヤマイチテクノの須崎氏からは、非常に前向きに取材に協力いただいた。

▲株式会社ヤマイチテクノの須崎氏からは、非常に前向きに取材に協力いただいた。

<本記事の取材協力>


株式会社ヤマイチテクノ

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