【KSI実証実験】
測定距離130mのライカ「RTC360」で
超高層ビルは計測できるのか!? 
「BLK2GO」で計測した結果は?

2022年5月に神戸清光が実証実験を行った。使用機種はライカ「RTC360」「BLK2GO」だ。

最大130mの測定距離・最大200万点/秒のスキャンスピードでの計測が可能な「RTC360」を使用し、高さ約108mの超高層ビルの計測を行う。

また、データをより高品質に仕上げるために補完的に計測データを活用できる「BLK2GO」で、同現場の細かな計測も行った。

「RTC360」でデータの根幹を作る。

地上型レーザースキャナ「RTC360」は最大200万点/秒のスキャンスピードを誇る。

本実証実験での現場において活かされる特長は、最大130mの距離測定が可能であることだ。
同機種を使用し、高さ108mの構造物を計測するとデータはどのように取得されるのだろうか?
計測を行った神戸清光営業担当者は「思っていたよりしっかりと点群が取れた。」と話す。
では、実際に取得したデータの一部を見てみよう。

ガラスや黒色の箇所などレーザースキャナが弱いとされているところは抜けているものの、 ビルの高い部分まで点群化されていると言えるだろう。(RTC360)

▲ガラスや黒色の箇所などレーザースキャナが弱いとされているところは抜けているものの、
ビルの高い部分まで点群化されていると言えるだろう。(RTC360)

ガラスの枠の点群化が出来ている。(RTC360)

▲ガラスの枠の点群化が出来ている。(RTC360)

地上に器械点を設置したが、ビルの上部まで点群化が出来ていることが分かる。(RTC360)

▲地上に器械点を設置したが、ビルの上部まで点群化が出来ていることが分かる。(RTC360)

ある器械点からビル上部まで約110mの距離が計測出来ていることが分かる。

▲ある器械点からビル上部まで約110mの距離が計測出来ていることが分かる。

汎用性の高い「BLK2GO」。

「BLK2GO」はSLAM技術が適応されたハンディタイプのレーザースキャナだ。
日本発売からされてから未だ日は浅いが、使用用途の汎用性の高さが同製品の特長の1つだと神戸清光営業担当者は考える。 使用目的やどの部分をどれくらい計測したいか、というユーザーの目的設定が重要だ。

前述のRTC360と併用することを想定するのであれば、BLK2GOの役割は「データの補完」というイメージだろうか。データの一部は以下の通りだ。

ハンディをかざした箇所が点群となる。 部分的にしか点群にはなっていないが、計測の気軽さの割にはしっかりとデータが取得できているとも考えられる。(BLK2GO)

▲ハンディをかざした箇所が点群となる。 部分的にしか点群にはなっていないが、計測の気軽さの割にはしっかりとデータが取得できているとも考えられる。(BLK2GO)

路面表示も認識が出来る。 ハンディを重複するようにかざせば、より濃い点群が取得可能だ。(BLK2GO)

▲路面表示も認識が出来る。
ハンディを重複するようにかざせば、より濃い点群が取得可能だ。(BLK2GO)

路面標示・天井部の配管も認識できる。(BLK2GO)

▲路面標示・天井部の配管も認識できる。(BLK2GO)

「計測の手間≠データの質」ではない。

「思ったより点群が取得できるんだな」というのが、筆者の個人的な感想だ。
人口密集地などの制約を考えずに想像すると、RTC360のデータにドローンで取得した点群データを重ねれば、 相当な質の高い成果物を作成できるだろう。
ライカ社の営業担当が「RTC360は3次元計測の扉を開く」と表現していたことを思い出す。 また、「計測の手間≠データの質」ではないということを感じさせる製品がBLK2GOだ。

――タイプの違うレーザースキャナだが、単体はもちろん、「組み合わせる」ということがまた価値を創出する。 ユーザーの新技術活用のために、神戸清光はニッチな情報を発信する。
是非、製品を選ぶ際には神戸清光へご相談いただきたい。

(株)神戸清光 広報チーム