2022年5月25日(水)~27日(金)まで、幕張メッセで「CSPI EXPO/建設・測量生産性向上展」が開催された。
本記事では、営業担当者たちが興味を持った製品など当日の様子を神戸清光目線でみなさまにお伝えする。
各社がどのような「未来」を来場者に見せていたのだろうか。
ドイツ・ミュンヘンに本社を置くNAvVIS社が発売している「NAvVIS VLX」はSLAM技術が搭載されたスキャナだ。
データを確認するディスプレイが内蔵されており、本製品を装着したその姿は、まさに「未来」と言えるだろう。
地上型レーザースキャナと本製品を同現場で使用した際の比較が行われているメーカーが公開している動画も面白い。地上型レーザースキャナでは約2時間必要だった現場が、本製品では25分間で計測を終えている様子が記録されている。
地上型レーザースキャナでも利便性は高まっているはずなのだが、器械点を据替えていく様子がまるで非効率的であるかのように感じられるから不思議だ。
<神戸清光営業担当者より>
「本展示会において、この『NAvVIS VLX』を見ることを楽しみにしていました。
実際に装着をして感じたことは、決して軽量とは言い難いが動き回るには『現実的な重さ』であるということです。
取得された点群データは地上型レーザースキャナで計測したかと思うほどのクオリティでした。
様々な現場で計測してみたいと強く思いました。」
地上型レーザースキャナ VS 「NAvVIS VLX」 https://www.navvis.com/resources/videos/navvis-vlx-vs-tls
▲実際に装着している様子。
▲ディスプレイが内蔵されている。
Fulldepth社の水中ドローン「DiveUnit 300」も目を引いた。
ドローンが空中だけでなく水中でも活用されている認識は今や広がり続けている。
最大潜行可能深度が300mとその性能の高さが魅力の本製品だが、クラウドサービスが提供されていることも大きな特長だ。
インターネット接続を介して潜航中の映像を共有したり、水温などのデータを記録することも可能だという。
「水中」がより身近な場所になる未来を想像することが出来る。
<神戸清光営業担当者より>
「あの日曜劇場『DCU』にも登場したFulldepth社産業用水中ドローン「DiveUnit 300」を目の前にして少し興奮しました!
弊社ではまだまだ問い合わせが少ない水中ドローンですが、私も勉強していきたいと思っております。
商品の完成度も素晴らしく、何よりも格好良かったです。」
https://fulldepth.co.jp/products/
▲Fulldepth社 産業用水中ドローン「DiveUnit 300」(1)
▲Fulldepth社 産業用水中ドローン「DiveUnit 300」(2)
「刮目せよ!」というキャッチコピーでPRされていたのが、回転式SLAMLidarシステム「LiGrip」だ。
手持ちで使用する他に、バックパックスタイルで計測することも可能である。
ハンディタイプの製品において重量は作業者に直接関わる要素だが、
本製品ではアルミニウム素材が使用されており、軽量且つ頑丈なハードが実現されている。
また、GreenVarley社独自のアルゴリズムが採用されており、
品質の高いデータ取得へと繋がる。
3次元データの汎用性が高まるにつれて、計測方法の手軽さが製品普及のためのポイントになるだろう。
ハンディタイプのSLAM技術搭載スキャナが更に普及していく未来が身近に感じられた。
<神戸清光営業担当者より>
「『面白い』『衝撃的』の一言に尽きます。
おそらく、SLAMハンディスキャナとしてはコスト抑制を大きく実現した価格帯での普及が予定されていると聞いております。
今後の展開が楽しみです。」
https://greenvalleyintl.com/LiGrip/
▲神戸清光営業担当者の印象にも強く残った回転式SLAMLidarシステム「LiGrip」。
トリンブル社の展示では、AR拡張現実ツールのが印象的だったという神戸清光営業担当者。
「Trimble SiteVision」は、アンテナ・EDM(光波距離計)・バッテリーが一体となって構築されているシステムだ。スマートフォンを通し、現実世界と3次元設計データを重ね合わせることが出来る。
同社は本製品の特長を「3Dで視覚化」「測る」「共有する」「連携する」という言葉で表現する。
施工者だけでなく、元請への情報共有のツールとしても有効だ。
<神戸清光営業担当者より>
「拡張現実ARシステムとして非常に有名な製品です。製品のその小ささには驚きました。建設現場でも、さらに普及が進みそうだと考えています。また、MMS「MX50」も初めて見ましたが、どんな点群が取得できるか気になります。」
https://geospatial.nikon-trimble.co.jp/sitevision/
▲展示されている「Trimble SiteVision」シリーズ。
▲トリンブル社 MMS「MX50」も展示されていた。
トプコン「杭ナビショベル」がスイングブームに近日対応されることがアナウンスされた。
本製品は、GNSSを使用せずに運用ができるマシンガイダンスシステムだ。
杭ナビ(LN-150)をセンサーとして運用する。
GNSSを使用しないため山間部や都市部などの現場環境に左右されることが少なく、ローカライズが不要となる。
また、0.1㎥クラスのような小型機にも装着が可能であることも特長の1つだ。
現場に左右されない同システムだが、
スイングブームにも対応することで、より自由度が高まるだろう。
<神戸清光営業担当者より>
「当社でも最近非常に問い合わせの多い本製品ですが、ようやくスイングブームに対応します。
比較的小型のバックホウに多いブームスイング機能付きのバックホウでも使えるようになることで、
ますます本製品の活躍が期待できるでしょう。
展示会場で多くの来場者を集めていた製品の1つです。」
http://www.kobeseiko.co.jp/x-m3x_ln.html
▲「杭ナビショベル」がスイングブームに対応することがアナウンスされた。
▲杭ナビショベル。
展示会場では、スイングブームに対応できることが実機でPRされていた。
重機関連の製品の展示も多くの来場者を集めていた。
ICT建機として利用可能な本製品の特長はコスト抑制を実現しながらマシンガイダンスを後付け出来ることだ。
また、スイングブームでの作業もバケット刃先のガイダンスも大きな特長の1つだ。
ICT建機の導入を検討するユーザーにとって「価格」は重要だ。
本製品はその点に関するハードルをぐっと下げたと言えるだろう。
<神戸清光営業担当者より>
「建設会社の方ならご存知の本製品は、その商品のコンパクトさに加えて、
何よりもそのコストパフォーマンスの良さで全国のi-Construction工事で活用されています。
画像には写っていませんが、GNSSアンテナ・センサー類も小さくて非常に良く出来ていると思います。」
https://kcsj.komatsu/ict/smartconstruction/lineup/retrofit
▲「スマートコンストラクション・レトロフィットキット」の展示の様子。
ライカ「BLK2GO」も多くの人の注目を集めていた。SLAM技術を活用した本製品は、その点群取得の手軽さが魅力の1つだ。
また、地上型レーザースキャナ「RTC360」にも活用されている独自のアルゴリズム「VIS(ビス)」で位置や向きを自動で検出することが可能だ。
――ある神戸清光営業担当者は、「ライカ社の新製品をリリースするそのスピードが面白い」と話す。
本展示会でも様々な製品をPRしていことが印象的だ。
<神戸清光営業担当者より>
「様々な製品が展示されているライカ社のブースも多くの来場者を集めていました。昨年待望の発売となった『BLK2GO』はもちろん、『Leica Zeno FLX100』『PEGSUS TRK700 NEO」など、
非常に興味のそそられる出展内容でした。
多彩な製品群がライカ社の魅力だと思います。今後も非常に楽しみです。」
http://www.kobeseiko.co.jp/Leica_BLK2GO.html
▲ハンディタイプレーザスキャナ「BLK2GO」。
▲スマート受信アンテナ「Leica Zeno FLX100 」の実機が展示されていた。
AR(拡張現実)アプリとの連携も可能だ。
▲「Pegasus TRK」
本展示会に参加した神戸清光営業担当者は、「『測量』と『ICT建機』が明確に線引きされた展示内容だった」と話す。
そのことから、i-Construction政策が引き続き推し進められていくことをイメージするという。
また、大枠の傾向としては「3次元」がやはりキーワードであると言えるだろう。
2次元データの活用から3次元データの活用へと移り変わる過渡期がまだ続く。
新製品導入の目的をクリアに持つことが将来的にも必要なのかもしれない。
(株)神戸清光 広報チーム