神戸清光では様々な製品の販売を行っているが、それと同時に実証比較も随時行っている。
今回はライカ社製世界最小3Dレーザースキャナ「BLK360」と最長7.5mまで伸長可能な三脚を組み合わせ、
家屋の屋根まで点群化できないか、という実証を行った。
ドローン搭載型のレーザースキャナを活用する場合も増えてきているが、この実証が有効であれば都市部などドローン飛行が難しい場所での活用が期待される。
▲現場の点群データ。どの条件もこの5器械点で撮影を行った。
本実証では①約7m ②約3m ③130cm程度でそれぞれ高さを設定し、住宅街にて撮影を行った。
撮影データは以下の通りだ。
▲今回の撮影イメージ
▲付属品のライカ社製三脚(約1.3m)を使用して撮影
▲三脚を約3mにして撮影
▲三脚を約7.5mにして撮影
――今回の実証担当者は使用後の感想をそう話す。正直なところ、約7mの高さで据えると少しばかり不安定になるため撮影データの一部(道路の白線など)が揺れるところも見受けられる。業種によっては不向きな場合もあるだろう。屋根の様子を見てみると、1.3mの三脚に据えて撮影したデータでは抜けている部分が、3m/7mで据えた場合には撮れている。今回は5器械点でなるべく広範囲が撮れるようにしたが、ピンポイントで点群化したい屋根を狙うとよりクリアにデータが取得できるだろう。BLK360はボタン1個での直感 な操作が特徴だが、専用アプリ「Cyclone FIELD 360」で機器を直接触らなくても点群密度の設定や撮影が可能だ。
約7mで据えている様子。高さがある分、先端が少し揺れるがBLK360にはIMUが積んであるので問題はない。
専用アプリ「Cyclone FIELD 360」で操作が行える。(写真ではiPad Proを使用。)
改めてBLK360が唯一無二の点は、その抜群のポータビリティだ。その可搬性は三脚の組み合わせによって広げることもできる。
撮影現場の環境や、点群データの使用目 に合えば、BLK360と高所まで伸長する三脚を一緒に使用することで、ドローン飛行をさせなくても( ない区域でも)、高さのあるところの点群化も可能だ。
神戸清光では、みなさんの目 に合わせた製品の提案をする。また、本記事のように私たち自身も実機を触りながらデータの比較を行っている。是非、相談いただきたい。
▲ライカ社製のアクセサリ「アダプタ」で三脚とBLK360の連結が出来る。
▲付属の専用ケースもあるので持ち運びもしやすい。
メーカー担当である(株)ルミカの営業担当 石橋様からも本製品の魅力をPRしていただいたので紹介する。「本製品は鳥のような目線で写真を撮影したいという想いから商品開発を行いました。お客様からの声をいただき、いろいろな現場に持っていける軽量さ、安定した撮影を可能にする剛性強度をUPし日々改良を行っております。狭所やドローンを飛ばして撮影したい現場でも、だれでも手軽に棒を伸ばせば撮影可能。万一のドローン墜落リスクなどのリスク回避もできるため、オススメです。上部から撮影することでより細かい点群衆の撮影も可能になるので、ぜひこの機会にご検討ください。」
——BLK360の発売から数年経つが、BLK本体だけでの活用方法だけでなく、本記事のようにアクセサリーの部分で活用の道筋をご提案できればと神戸清光では考えている。今回は(株)ルミカ様にご協力いただいた。
最長7.5m、しなりの少ないフルカーボン製・ハイエンドモデル。スタンド三脚・スマホホルダー・持ち運び用の専用ハードケースが付属しているので即使用可能。
従来のグラスファイバー製に比べ、更に軽量化。持ち運びをより便利に!長く伸ばした際の安定・剛性が高くなりました。
屋根上、屋根裏などの高所点検業務・ドローン禁止地域での空撮写真・映像撮影など様々な現場・シーンでご使用いただいております。
■製品仕様
サイズ:最長約7.5m(収納時約1.55m)
継本数:6本
梱包サイズ:4.7kg
重量:約3.2kg(Bi Rod本体のみの場合、1.6㎏)
ロッド主素材:フルカーボン
カメラ取付部:自由雲台装着
付属品:自由雲台/ショルダーベルト付きハードケース/スマホホルダー/専用三脚/取扱説明書/六角レンチ
本記事掲載の打ち合わせの様子(Zoomにて実施)左:(株)ルミカ 石橋様 右:神戸清光 松本
メーカーの提示する情報をカタログ等で知ることも大切だが、「実機を見る」ということも非 に重要なことだ。
神戸清光は本年で創業48年。
48年間、測量の技術は大きく変化し続けている。
その変化の過渡期の一つが、現在だと言えるだろう。
そして、その変化する48年の間に神戸清光は測量に携わってきた。
「売っておしまい」ではなく、実際に機器を触るユーザーからの疑問が私たちの知識・技術力を研磨する。
本記事では「三脚の高さを変える」という実証事例を紹介したが、その些細な実証、つまり神戸清光の日 から、営業担当たちのひたむきさが感じられる。
(株)神戸清光 広報チーム