空からの測量のために生まれたLiDAR「FLIGHTS SCAN」を
株式会社中浜測量設計様が導入!
感じたのはそれが圧倒的な“実用的な最新技術”であること。

 2023年11月1日(水)に神戸清光 小野トレーニングセンター(兵庫県小野市)で、株式会社中浜測量設計 様(大阪府八尾市)へのドローン搭載型Lidar「FLIGHTS SCAN(フライトスキャン)」の納品説明を行った。 本記事では、その様子をみなさまへお伝えする。


 株式会社中浜測量設計様は、“確かな技術で未来に「貢献」”を掲げる測量・設計業務を行う企業である。同社が取り組む測量技術の研磨は、ICT施工においての活用まで多岐に渡る。今回の導入指導に参加してくださったのは、同社測量第一グループ 原田主任技師だ。

株式会社FLIGHTS (フライト)の大原氏から、ダイレクトに「FLIGHTS SCAN」のノウハウを受け取っていただく。

――神戸清光は創立50周年を迎えるが、営業担当者たちの蓄積してきた製品知識だけでなく、
メーカーとユーザーの接点を提供することも出来ることが強みの1つである。

その製品を作る人たちの顔が見えると、よりそれはエネルギッシュに感じるものである。

▲2日間を掛けて、しっかりと「FLIGHTS SCAN」を活用するためのノウハウを共有する。 (左:株式会社中浜測量設計 原田氏  右:株式会社FLIGHTS 大原氏)

▲2日間を掛けて、しっかりと「FLIGHTS SCAN」を活用するためのノウハウを共有する。
(左:株式会社中浜測量設計 原田氏  右:株式会社FLIGHTS 大原氏)

“空のプロたち”がリリースするドローン搭載型Lidar「FLIGHTS SCAN」

株式会社FLIGHTS様は「全方位型のドローン企業」と自身を位置づけ、2016年に設立された。
ドローンの販売、運用代行、コンサルタント業務、アプリケーションの開発・提供など、
その業務内容は掲げられている通りに“全方位型”であり、多岐に渡る。
そのドローン技術に特化した同社が提供する製品がドローン搭載型Lidar「FLIGHTS SCAN」だ。
株式会社中浜測量設計様が導入を決めたのは、その中でも「FLIGHTS SCAN XT32」というモデルである。

「FLIGHTS SCAN」の製品詳細はこちらから。

▲「FLIGHTS SCAN XT32」を装着した時の様子。

▲「FLIGHTS SCAN XT32」を装着した時の様子。

What is 「FLIGHTS SCAN XT32」?

まずは、「FLIGHTS SCAN」の特長を見てみよう。
同製品は、「空からの測量のために生まれた“空測用”LiDAR」として株式会社FLIGHTSからリリースされたドローン搭載型Lidarである。 「FLIGHTS SCAN XT32」と「FLIGHTS SCAN XT32 M2X」という2つのモデルがラインナップされている同製品。

「FLIGHTS SCAN XT32」では、推奨対地高度が30m 〜 80m。
最大2リターンまで受信可能なマルチリターン機能が付いている。

「FLIGHTS SCAN XT32 M2X」では、推奨対地高度が30m 〜 120m。
マルチリターン機能は最大3リターンまで受信可能だ。

また、どちらのモデルもレーザーの照射方向は360度の全方位方向。
機首の横断方向に360度レーザーを照射出来るので、急傾斜地でも精度の高い計測が可能だという。
また、当日は DJI「Matrice 300 RTK」に本製品を搭載して飛行させたが、
ドローン本体の重量感に影響されずに非常に滑らかなフライトが行われた。
飛行の安定感・安全性もドローンを使用する上では注視したいポイントである。


神戸清光営業担当者が「FLIGHTS SCAN」体験したレポートはこちらから!(データ比較あり)

▲360度の全方位方向で行うレーザー照射のイメージ(左)。 走査角度が大きいため急傾斜地でも精度の高い計測が出来る(右)。

▲360度の全方位方向で行うレーザー照射のイメージ(左)。
走査角度が大きいため急傾斜地でも精度の高い計測が出来る(右)。

▲「FLIGHTS SCAN XT32」の製品イメージ。

▲「FLIGHTS SCAN XT32」の製品イメージ。

▲「FLIGHTS SCAN XT32」の基本スペック。

▲「FLIGHTS SCAN XT32」の基本スペック。

――技術が活用してもらいやすくなるように。
価格も抑えられている。

 ドローン搭載型のLidar技術は真新しいものではない。
けれども、価格が高価であるために本技術が一般化するまでには至っていないのが現状だ。

しかし、「FLIGHTS SCAN」では、私たちの測量業務の生産性向上を叶えるツールとしての導入が十分に現実的に可能な価格が設定されている。
また、補助金の活用などを行うことで、よりその導入はイメージしやすいものになるだろう。

▲データはUSBで管理することが出来る。

▲データはUSBで管理することが出来る。

▲株式会社中浜測量設計の原田氏が同社内のドローン業務を担っているそう。現場での使用を想定しながら取り組む姿が印象的であった。

▲株式会社中浜測量設計の原田氏が同社内のドローン業務を担っているそう。
現場での使用を想定しながら取り組む姿が印象的であった。

新技術と対峙する株式会社中浜測量設計様の姿。

 筆者は、新技術を導入することに理由が必ずあると考える。それはおそらく様々で、自社のブランディングや問題解決のためなどあるだろう。

 株式会社中浜測量設計の原田主任技師に尋ねると、そこには2つの理由があった。まず1つ目に、同社が「最新技術を取り入れる」というブランディング要素の高い戦略を立てているということ。そして、もう1つは点群処理を行うソフトウェアを併用することで、更に高品質なデータ作成や分析を行うためだという。

 “地上型レーザースキャナとレーザードローン”というようなハードウェアの併用はイメージしやすいが、ソフトウェアの併用でより品質の高いデータを作成していくというストーリーから、同社の技術レベルの高さを強く感じることが出来た。

▲対空標識の設置を和気あいあいと行う。

▲対空標識の設置を和気あいあいと行う。

「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」に対応可能。

測量業務に携わるドローンユーザーの多くが、製品選定を行う際に注目するポイントの1つが「公共測量への対応」だろう。コストと性能のバランスは良いが公共測量には非対応、というパターンの製品もあるが、「FLIGHTS SCAN」は「UAV搭載型レーザスキャナを用いた公共測量マニュアル(案)」への対応が可能である。また、各種帳票の作成にも対応している。 これらは非常に大きな強みであり、本製品が導入される場合の選定要素の主軸となり得るはずだ。

▲ドローンに「FLIGHTS SCAN」を装着していく。方法もお伝えする。

▲ドローンに「FLIGHTS SCAN」を装着していく。

▲メーカー側から話も聞けるので、疑問もその場で解消可能だ。

▲メーカー側から話も聞けるので、疑問もその場で解消可能だ。

「INS(慣性航法システム)」が、精度の高い計測を支える。

「FLIGHTS SCAN」シリーズにおいて、FLIGHTS社が重要視している要素の1つが「INS(慣性航法システム)」だ。――同社は「空中を移動しながらデータを取得するドローン搭載型LiDARの性能を左右するものは、センサーだけではありません。『INS(慣性航法システム)』はセンサーの移動速度や姿勢、位置変化などを計測する役割を果たし、精度の高いデータを取得するために非常に重要な要素です。」と謳っている。

同社が重要視する「INS(慣性航法システム)」は、主に以下の3つの要素で構成される。

1. IMU
2. GNSS受信機
3. センサーフュージョンソフトウェア

1. IMUは、姿勢制御のためのセンサーの総称だ。

2. GNSS受信機は、衛生システムからの信号を受信し、緯度・経度に変換して高精度な位置情報を取得するための装置のこと。また、GNSSだけでは正確な位置データの取得が難しいため、IMUはそれを補完する役割も果たすという。

3.  センサーフュージョンソフトウェアは、複数のセンサーまたは異なるソースから取得したデータを組み合わせ、より確実性の高い情報を抽出するためのソフトウェアを意味している。

以上の1~3の各要素が同製品の精度の高さを実現するのだ。

▲飛行計画を立てるためマッピングを行っている様子。

▲飛行計画を立てるためマッピングを行っている様子。

▲実際の現場での活用を目指した納品説明が行われる。

▲実際の現場での活用を目指した納品説明が行われる。

「目指すのは、『日本の測量に合致したもの』です。」

――「目指すのは、『日本の測量に合致したもの』です。」と語るのは、株式会社FLIGHTSの大原氏だ。もともと農業や森林へのリモートセンシング技術活用の分野での活躍を経歴とする同氏。ドローンLidarを“使える”モノにしていきたいという思いがあるという。

また、高品質な成果物の創出はもちろんのことだが、「成果を上げること以外のことも使えるようにしていきたいんですよね。」と同氏は語る。
――例えば、帳票の作成がそうだろう。精度の追求以外で手を取られるところ、手動でやっていたことを自動化していきたいという想いがあるそうだ。

税金を使う公共の仕事だからこそ、シビアに成果を求めることが必要だと考えているようだった。点ではなく、様々なことを繋げた線で同氏は製品開発と向きあっているのだろう。

柔らかに製品説明を行う姿が印象的だったが、製品への思いを尋ねるとユーザに寄り添った厚みのある力のある言葉を語ってくださった。

▲株式会社FLIGHTS のエンジニアである大原氏。とにかく現場を想定した目線で製品の活用方法をシェアしてくださった。

▲株式会社FLIGHTS のエンジニアである大原氏。
とにかく現場を想定した目線で製品の活用方法をシェアしてくださった。

▲飛行計画の作成から、データの取り込みまでの一連の流れを実践する。

▲飛行計画の作成から、データの取り込みまでの一連の流れを実践する。

ソフトウェアの併用で良いところを補完し合おう。

「FLIGHTS SCAN」で取得した点群データは、ソフトウェア「Lidar360」で処理を行う。位置合わせやノイズ処理はもちろん、地形解析や森林解析も可能な同ソフトだが、株式会社中浜測量設計様で既に使用している福井コンピュータ「TREND-POINT」との併用で、「点群データの処理において良いところを使い合いたい」と同社の原田氏はイメージを膨らます。

ソフトウェアによって、特に得意なところが異なることがあるが、それを複数のソフトを併用することで補完するという考え方だ。

非常にフレキシブルに業務フローを考えることが出来る同社の姿勢が光る瞬間であった。

▲飛行前の「FLIGHTS SCAN」の設定を行う。ユーザーが実際に触りながら、自身にフローを落とし込んでいくことが出来る。

▲飛行前の「FLIGHTS SCAN」の設定を行う。
ユーザーが実際に触りながら、自身にフローを落とし込んでいくことが出来る。

今日得た情報は、社内で共有する。
当たり前だけど、それが企業のノウハウになる。

「今日のことは、社内でまた他の社員へ共有するんですよ。」と話す原田氏。些細かもしれないが、この動きが株式会社中浜測量設計様の企業価値を磨いているのだと感じる。

当たり前ではあるが、企業はヒトが構成する。1人だけが技術知識を抱え込むのではなく、他の社員へ共有することで企業という1つのチームの価値がアップするのだ。

最新技術導入を続ける同社の“活用”までの思いがそこにはあった。

▲株式会社中浜測量設計 主任技師の原田氏。ドローン関連の実務をエネルギッシュに行う。

▲株式会社中浜測量設計 主任技師の原田氏。
ドローン関連の実務をエネルギッシュに行う。

――「『実用的な最新技術』ですよね。」

 「FLIGHTS SCAN」についての導入説明を実施した2日間の中で、株式会社中浜測量設計の原田氏が小さな声でこぼした「『実用的な最新技術』ですよね。」という言葉が残る。

 新製品はすなわち、新技術だと考える。その新技術は「使える」か「使えない」のどちらかに分かれることがほとんどだろう。そんな中で、実機に触れた後に「実用的だ」と感じることが出来る同製品はレベルが高いのだと感じられる。

――新製品の導入は決して安価ではない。だからこそ、カタログだけでなく実機を見ることが重要であるし、自分の現場とのマッチングも重要だ。

 何かお困りのことなどがあれば、是非お気軽に神戸清光までお問い合わせいただきたい。
私たちと一緒に解決しましょう。

 

(株)神戸清光 広報チーム

株式会社 中浜測量設計 様

【所在地】〒581-0003 大阪府八尾市本町5丁目4番1 シティ八尾301号
【HP】https://osaka.tokyo/