伸栄開発株式会社様が、移動式計測デバイス「NavVis VLX(ナビビズ ブイエルエックス)」を導入!既に多彩な3次元技術を扱う同社の“挑戦する”というミッション。

2023年4月、伸栄開発株式会社様へ神戸清光が「NavVis VLX(ナビビズ ブイエルエックス)」を納品した。 「NavVis VLX」は、体の上から被るように装着する移動式計測デバイスで、点群取得が可能だ。
本記事では、その様子をみなさまにお伝えする。


伸栄開発株式会社様(兵庫県たつの市)は、1983年創立の総合建設コンサルタントだ。
兵庫県を本拠地とし、関東から広島県まで広域に事務所を構える。

――“挑戦すること”がキーワードだと感じられるビジョンを掲げる同社。
3次元計測にも多彩に対応しており、ハンディタイプ・ドローン・MMS(モービルマッピングシステム)など、そのハードは多岐にわたる。

そして同社が次に選択したのは、移動式計測デバイス「NavVis VLX」の導入だ。
同社が描くストーリーを少し覗いてみよう。

NavVis日本版ホームページより 製品イメージ

NavVis日本版ホームページより 製品イメージ

▲移動式計測デバイス「NavVis VLX」を導入した伸栄開発株式会社様。

▲移動式計測デバイス「NavVis VLX」を導入した伸栄開発株式会社様。

「NavVis VLX」って、何??

今回、伸栄開発株式会社様が導入を決めたのは「NavVis VLX」だ。
ドイツに本拠地を置くNavVis社が提供する同製品。
2台のLidarセンサーと4台の魚眼カメラを搭載し、縦/横複数のレイヤーの3次元点群データを高密度で取得できる。
データ作成とデータの使用、すなわち3Dデータへのアクセスをどちらも扱いやすくすることが目指されているようだ。
また、SLAM技術も適用されているため、自己位置推定も可能。
点群取得だけでなく、計測対象のマッピングも可能だというのが本製品の醍醐味だろう。

――まずパッと目を引くのは、その計測方法だ。
計測者が上から被るように装着する姿は、ロボットのようにも感じられ、未来がある。
2022年7月に神戸清光営業担当者たちも本製品の勉強会を開催しており、
彼らの間でも非常に評価の高い製品だ。その時の様子は、下記のリンクから確認していただきたい。


神戸清光営業担当者たちが「NavVis」を体験した様子はこちらから。

「NavVis VLX」と地上型レーザースキャナの計測記録比較動画
「NavVis VLX」のケース。

▲「NavVis VLX」のケース。

▲伸栄開発株式会社のみなさんが、非常に前向きに本納品説明に取り組んでくださったことが印象に残る。

▲伸栄開発株式会社のみなさんが、非常に前向きに本納品説明に取り組んでくださったことが
印象に残る。

伸栄開発株式会社様の木本様(左)と柳井様(右)。 今回の「NavVis VLX」の納品説明にご参加してくださった。

▲伸栄開発株式会社様の木本様(左)と柳井様(右)。
今回の「NavVis VLX」の納品説明にご参加してくださった。

見た目ほど、重くない。
測定エラーがその場で分かる。

納品日当日は、屋外・屋内でそれぞれ実計測を通して、使用方法への理解を深めていただく。
参加してくださった伸栄開発株式会社の木本氏と柳井氏が抱いたNavVis VLXへの印象は、
「『思ってたより重くない』『測定エラーがその場でわかるので、取り直しの確認ができる』『操作性が良い』だったという。

本製品の重量は約8.7kg。
重量がありそうにも感じられるが、実際は体全体で支えるため重みが気になることは少ないようだ。

また、その操作性にもスポットを当ててみよう。特長の1つ目は、ディスプレイ。
下記の写真のように計測者の目線に設置されている本ディスプレイでは、計測済みの箇所が青く塗られていくので、 計測忘れのようなヒューマンエラーの回避も期待できる。
その他の操作性も非常にシンプルで、NavVis VLXを装着して現場を歩き回るだけで品質の高いデータを取得できるのだ。

伸栄開発株式会社様は、本製品での計測を体感して驚嘆されているようだった。

本体に付いている画面のイメージ。

▲本体に付いている画面のイメージ。

実際にディスプレイを確認している様子。 計測済みエリアは青く塗られるため、一目で計測状況を確認出来る。

▲実際にディスプレイを確認している様子。
計測済みエリアは青く塗られるため、一目で計測状況を確認出来る。

「Ground Control Point」で、座標を落とすのも
スムース。

NavVis VLXには、「Ground Control Point」という機能も付いている。 ポイントをキャプチャ(記憶)させることで、データ処理時に簡単にそのポイントに座標を落とすことが可能だ。

コントロールポイントをキャプチャすることで、座標を落とすことが出来る。

▲コントロールポイントをキャプチャすることで、座標を落とすことが出来る。

コントロールポイントをキャプチャする時の様子(拡大)。

▲コントロールポイントをキャプチャする時の様子(拡大)。

伸栄開発株式会社様の「新しいモノを入れていく」という考え方。

伸栄開発株式会社様は既に様々な3次元データ取得ツールを導入しており、同社のホームページには、活用されているツールが公開されている。 同社が新技術に前向きに対応していることが感じられる。

伸栄開発株式会社様は、3次元活用を進めている。使用方法もお伝えする。

▲伸栄開発株式会社様は、3次元活用を進めている。

MMS(モービルマッピングシステム)のデータを、
「NavVIS VLX」で補強する。

3次元データ作成のための点群取得を行うハードには選択肢がある。

伸栄開発株式会社様が導入する3次元データ取得ツールが多岐に渡ることは前述の通りだが、
技術部部長の坂田氏は特にMMS(モービルマッピングシステム)との併用に期待しているようだ。

MMSでは、車両を使用して3次元データを取得する。 一般車両と同じように道路を走行できるので、三脚を据えるツールに比べれば計測に必要な日数はかなり短縮される計測手法だ。

しかしながら、当たり前ながらMMSでの計測には「車で走行できる場所」であることが前提となる。そこで坂田氏は、車が入れないところ(=MMSでの計測が難しいところ)でのNavVis VLXを活用をイメージしているそうだ。

――単一ツールでの3次元データ取得だけでなく、様々な製品を組み合わせて成果物を作り上げるビジョン。
3次元へのノウハウを蓄積している同社だからこそ描けるものだと感じられた。

伸栄開発株式会社様が所有するMMS(三菱電機社製)1

▲伸栄開発株式会社様が所有するMMS(三菱電機社製)1

伸栄開発株式会社様が所有するMMS(三菱電機社製)2

▲伸栄開発株式会社様が所有するMMS(三菱電機社製)2

▲単体での使用だけでなく、既に持っている製品を組み合わせてNavVis VLXの活用を進めたいと考えているという。

▲単体での使用だけでなく、既に持っている製品を組み合わせてNavVis VLXの活用を進めたいと考えているという。

階段でも計測できるから、1階から2階の部分も点群で円滑に再現可能。歩行者や車両などの動く物体の自動消去も出来る!

点群データ作成において、手間が掛かるのが階層になっている部分の合成だ。 三脚に据えるタイプのレーザースキャナだと、階層になっている部分の自動合成がうまくいかない場合があるときがある。その際は手動での合成が必要なのだが、現場によっては難しいパズルのようになってしまい内業に負荷が掛かることになってしまう。

しかし、NavVis VLXは“器械点”という考え方がないので、「どこにどのように据えるか」を気にする必要はない。 階段でも計測できるので、階層になっている現場のデータ取得もシンプルに出来る。

また、歩行者や車両などの動くモノの自動消去も可能だ。 ある神戸清光営業担当者は、この機能に驚いていた。

些細なようで、重要な要素ではないだろうか。内業の軽減が期待できそうだ。

伸栄開発株式会社様の社屋内で。 階段でも計測できるから、1階から2階も繋げられる。

▲伸栄開発株式会社様の社屋内で。
階段でも計測できるから、1階から2階も繋げられる。

動体も自動消去される。

▲動体も自動消去される。

計測データは「NavVis IVION」で簡単にシェアできる。

「NavVis IVION(ナビビズ アイビアン)」は3次元データWebビューワーだ。
ソフトウェアのダウンロードは不要である。

色んなアングルからのデータをチェック出来ることはもちろん、そのデータにPDFや動画のタグ付けが出来る。 “点群データを処理するため”という使用方法だけでなく、現場の3次元データとそれに付随する情報を紐づけして「現場」を管理出来るようなビューワーだ。 また、ソフトウェアのダウンロードが不要のため、顧客への情報共有も本製品で行う事が出来る。 データの視点ごとに共有URLが発行できるため、細かなアングルでの共有が可能なことも強みだ。

ちなみに他のデバイスで計測したデータの読み込みも出来るので、「NavVis IVION」の勢力が拡大することも予想される。

計測データは「NavVis SiteMaker」で解析を行う。 その後、「NavVis IVION」へアップロードして点群の位置合わせを行う。

▲計測データは「NavVis SiteMaker」で解析を行う。
その後、「NavVis IVION」へアップロードして点群の位置合わせを行う。

「NavVis IVION」での点群位置合わせの様子。

▲「NavVis IVION」での点群位置合わせの様子。

インパクトがあるから、プレゼンにも。
自社価値も創出出来る。

伸栄開発株式会社様姫路支店支店長の神路氏は、
「今後のプレゼンテーションでもNavVis VLXが活きるのでは。」と考えるという。

今までの3次元データ取得ツールの中で、“装着式”という視覚的にインパクトのある同製品。
そして、その計測の手軽さとは反比例するように取得できる高品質なデータは、
「未来を扱う」というイメージを顧客に感じていただけるだろう。
他社とは違う、という差別化が自社価値を光らせる。

伸栄開発株式会社様からのご提案で、橋梁でもデータ計測を行った。 同社の新技術導入への息吹が感じられる。

▲伸栄開発株式会社様からのご提案で、橋梁でもデータ計測を行った。
同社の新技術導入への息吹が感じられる。

説明を行ってくださったのは、㈱構造計画研究所 NavVis事業室キム ビョンフン氏。

▲説明を行ってくださったのは、㈱構造計画研究所 NavVis事業室キム ビョンフン氏。

ドイツ NavVIS社が公開する 「NavVIS VLX」と地上型レーザースキャナの計測記録比較も面白い。

地上型レーザースキャナと本製品を同現場で使用した際の比較が行われている動画もYoutubeでは2万回以上再生されている。

動画内では地上型レーザースキャナでは約2時間必要だった現場が、「NavVIS VLX」では約25分間で計測を終えている様子が記録されている。 地上型レーザースキャナでも十分に利便性は高まっているはずなのだが、本製品に比べると非効率的であるかのように感じられるから不思議だ。 もちろん、使用用途や目的によって製品選定を行う必要があるのだが、革新的な製品であることが強く伝わってくる。

「NavVIS VLX」と地上型レーザースキャナの計測記録比較動画
橋梁での計測。 揖保川に掛かる祇園橋でNavVis VLXでテスト計測を行う。

▲橋梁での計測。
揖保川に掛かる祇園橋でNavVis VLXでテスト計測を行う。

点群データ取得のためのツールが、どんどん多様化する。

データの品質は高機能の据え置き型レーザースキャナで、
でも計測対象の裏側まで回り込めるから、ハンディタイプスキャナのようにデータの補完力もある。
ハンディタイプスキャナと、据え置き型スキャナの良いところを足して割ったような印象を受けるのが、
今回伸栄開発株式会社様の導入した「NavVIS VLX」だと筆者は考えたが、みなさんはいかがだろうか。

伸栄開発株式会社様は、しなやかに“挑戦”をする企業だと感じられた。
そして、この「NavVIS VLX」導入が、同社の価値をさらに創出する。

――どの技術・製品にも特長はあり、導入する際に“ゴールはどこか”という設定を行うことが製品選定を成功させる要素の1つだ。
神戸清光営業担当者たちは「カタログ上だけでは分からない情報が、実機にある」と考えている。
何かお困りのことや、解消したい事柄があれば私たち神戸清光までお知らせください。
一緒に解決しましょう。

 

(株)神戸清光 広報チーム

伸栄開発株式会社 様

【所在地】〒679-4021 兵庫県たつの市揖西町小犬丸 2168-1
【HP】http://www.shineikaihatu.co.jp/