2022年8月25日(木)に株式会社大林組様新入社員研修会がトプコン神戸トレーニングセンタで実施された。
同研修では、神戸清光営業担当者が最新の測量技術及び製品を「ICT施工」というキーワードと共に解説する。本記事では、その様子をみなさまへお伝えする。
本研修会では、前半に福井コンピュータ社がICT施工のためのソフトウェア活用の座学を実施した。
後半では、実際にフィールドに出て実機を確認しながら、ハードウェアを通してアプローチを行う。
神戸清光営業担当者が解説を行ったのは、以下の製品だ。
1.杭ナビ(LN-150)
2.自動追尾TS(iXシリーズ)
3.GNSSローバー(GCXシリーズ)
4.地上型レーザースキャナ(GLS-2200)
5.トータルステーション+地上型レーザースキャナ(GTL-1203)
6.ドローン
▲各最新技術の解説は、トプコン神戸トレーニングセンタのフィールド上で行われた。
同研修会においては、参加者に杭ナビ(LN-150)を実際に使用していただき、
「1人で杭打ちを行う」という具体的なイメージを通して“作業効率向上”を感じていただいた。
併せて、マシンガイダンス技術も体感いただく。
杭ナビは「3次元の普段使い」をキーワードとし、杭打ち業務の効率向上を目指していることが大きな特長の製品だ。
器械設置の手順も非常にシンプルで、スマートフォンやタブレットを使用することで離れた所から操作することも可能である。
トプコン社が提供する製品群の中でも、非常に多くのユーザーから支持されている本製品。
それは、その汎用性の高さとシンプルな操作性があることを意味しているだろう。
また、マシンガイダンスなどのICT施工へとストーリーを展開するユーザーにもフックとなり得るのも同製品である。この杭ナビ(LN-150)を活かして、トプコン社がリリースした「杭ナビショベル」がそれだ。
何と言っても、GNSSを使用しない=現場に左右されにくいということが強みである。GNSSの影響を考慮が不要のため、山間部や都市部での施工を得意な現場としている。
――トプコン社の代表的な製品と言える「杭ナビ(LN-150)」「杭ナビショベル」の実機を通して、ICT施工についてイメージを膨らませていただいた。
実際の現場の作業効率を向上へのツールとして、その技術を捉えていただくことが出来ただろう。
▲杭ナビ(LN-150)の実機を通して、新技術に触れていただく。
▲杭ナビ(LN-150)を福井コンピュータ社「FIELD-TERRACE」で操作した場合のイメージ。
「1人で計測する」という作業効率向上はトータルステーションでも目指される。
測量業務において、多くの人に使われているトータルステーションにもICT施工というキーワードで展開されていることも解説した。
イメージしていただきやすいように、実際に「ワンマン測量」に対応した製品に触れていただく。
フィールドに据えたのは、ソキア「iXシリーズ(iX-1200/600)」。自動追尾機能を強みとする製品だ。
同製品を導入するユーザーも増えており、度々取りざたされている「人手不足」という課題の解決にも繋がりが期待される。
――作業効率の向上を強く感じるためには、既存の測量フローを知ることも大切である。
「『トータルステーションでの計測は2人組で行うということ』というイメージは変わらないのだろうな」と筆者も漠然と想像していたが、
そのトータルステーションでの作業におていも作業効率向上が実現されることが、非常に画期的であることを参加者も感じていたようだった。
▲将来的に、TSもワンマンが“普通”になるのだろうか。
衛星情報を利用した測量方法であるGNSS測量についても解説を行う。ソキアGNSSローバー「GCXシリーズ」を使用し、文面だけでは想像しにくいその技術の特長を参加者に感じていただいた。
――ソキア「GCXシリーズ」はGPS・GLONASS・Galileo・Beidou・QZSSの情報を快適に受信することが出来る。
取得可能な衛星情報に偏りがないということは、安定して計測が可能だということだ。
少しばかりの精度の誤差があることがGNSS測量の前提と言われているが、その計測のスピードの早さは大きな強みである。
使用する現場へのマッチングが必要ではあるが、本製品においてもICT施工の具体例を伝えることが出来ただろう。
「説明文だけでは分かりそうで、分かりにくい」というイメージのGNSS測量技術。
実際に計測を行うことで、そのICT施工に繋がる技術をさらに身近に感じていただけたように見えた。
▲GNSS測量について解説を行う。
ICT施工において、3次元データ作成に対応することは自社のノウハウをぐっと底上げするということが言われている。
本研修会で最も多かったのが、地上型レーザースキャナに関する質問だ。
特に目立ったのは、ドローン搭載型のレーザースキャナとの違いについてである。ICT施工に関して、非常に感度の高い投げかけだと感じられた。
フィールドには、トプコン「GLS-2200」「GTL-1203」の実機を設置する。「GLS-2200」は最大200mという長距離スキャンが可能なレーザースキャナだ。
「GTL-1203」はトータルステーションにレーザースキャナが搭載されているタイプの製品である。
まずは、実際に計測を行いデータの確認までを一緒に行った。「現場を点群化すること」のイメージを深めていただくためだ。
レーザースキャナと一口に言っても、多様な型式やスペックがある。
レーザースキャナのタイプ毎に適した現場があることについても解説を併せて行った。
――どういう理屈でスキャンが行われ、どういう理論で合成が進むのか。
熱心に聞き入る参加者の姿が印象的であった。
・最高PV数!「各レーザースキャナで同現場を計測」の比較レポート数はこちらから。
▲GLS-2200。
モニターに現場の点群データを映し出し、イメージを掴んでいただく。
▲GTL-1203。
レーザースキャナは各メーカー、様々なタイプが展開される。
想定する現場にマッチした製品を選ぶことが大切だ。
当日は会場の状況上、実際にフライトをすることは出来なかったが、飛行ルールの概要や注意点などの解説を実施した。また、ドローンで取得したデータの3次元化についても解説を併せて行う。
――レーザースキャナによる、現場の3次元化を取り入れる施工者が増えている。
2次元から3次元へと成果物の形が変わりつつある今、それに対応することがビジネスモデルとして確立され始めている。
その中で現場に合わせて、地上から計測するのか、上空から計測するのかを選択することが必須であり、それが製品選定の要素となる。
本技術解説時にも、参加者から地上型レーザースキャナとの比較等の質問が多く挙がった。
参加者が“点群”について、アンテナを強く張っているような印象を受けた。
▲現場の環境上、UAVのフライトが出来なかったため、
座学でルールなど概要を解説する。
どの製品も「業務効率化」というアングルから解説が出来るということを再認識した。
また、参加者の方からICT施工への感度の高さが感じられる質問が投げかけられていたことが非常に印象的である。
ICT施工に実際に取り組むユーザーの状況や声を実際に知っている・聞いている神戸清光営業担当が解説を行うことで、
より現場に使いやすく、イメージしやすい情報を提供できていれば嬉しい。
実機を通して製品の一長一短を知る。
カタログやインターネットの情報だけでなく、是非、現場の声を知っている神戸清光にお問合せいただきたい。
(株)神戸清光 広報チーム